パレスチナ夜 2 

〜ナブルス〜









 こんにちは。イスラエル軍を愛する作者です。
 写真の中のポスターに載っているたくさんの人は、パレスチナ自治区最大で目下イスラエル軍の占領下にあるナブルスという街で、軍によって殺された人達です。
 左の少年は、お兄さんと一緒に写真に写る時は、今じゃこうしてポスターと並んで撮るしかないようです。何しろお兄さんも殺されてこのポスターに載っているので。

 まあしかし。
 物事というのはきちんと両面から捕らえなければいけません。
 パレスチナ自治区でパレスチナ人の話を聞いたら、彼らに肩入れしたくなるのも当然です。ここはひとつ一度イスラエル軍の立場で物事を考えてみようではありませんか。
 今回は、ここナブルスで見聞きしたことを、加害者側、イスラエル兵士の側に立ってそれぞれ弁護してみたいと思います。彼らのために、各状況についてのイスラエル兵のコメント、言い分を、作者が想像して書いてみました。あんまり的確なんでもしかしたらイスラエル政府から表彰なんかされちゃうかもしれません。
イスラエル兵LOVE!
ユダヤ人にあらずんば人にあらず!!










 これは、イスラエル兵によって荒らされた部屋です。夜寝ていたら突然兵士が入ってきて、よくわからんけど何かを探してぐちゃぐちゃにして去っていったそうです。

イスラエル兵のコメント「いやー、何かを一生懸命探すとこうなっちゃうのはしょうがないでしょ。よく印鑑探す時とかってこんな状態にならない?片付けようにもオレの家じゃないからどこに何をしまえばいいかわかんないし。まあ何を探そうとしてたかは自分でもよくわかんないんだけど。」


うーん、ごもっともです。










 これは、イスラエル軍によって穴が空けられた民家の壁です。ある日突然兵士が入ってきて、よくわからんけど壁に爆弾を取り付けて爆破していったそうです。

イスラエル兵のコメント「いやー、だって怪しいやつが隠れてるかもしれないじゃん。テロリストとか。回り込めば向こう側にいけるのは知ってるけど、アメリカ様からの援助金もあるし、これなら予算も使えて向こうへの行き来も楽になって一石二鳥でしょ?じいさんばあさんの家だし壁があったら邪魔でしょ。」


うーん、ごもっともです。










 彼は、朝学校に行く途中、よくわからんけどいきなり足を撃たれました。

イスラエル兵のコメント「いやー、学校っつっても何を教えてるかわからんからね。テロリストの養成なんかしてないとも限らないでしょ?そしたら将来自爆テロなんかでこっちがやられるかもしれないんだし。こいつが将来テロリストにならないって保証できる?」


うーん、ごもっともです。










 これは、救急車についていた銃弾の痕です。病人を乗せて緊急搬送していたら、よくわからんけど突然撃たれて、中にいた人間を貫通して反対側の壁まで届いたそうです。

イスラエル兵のコメント「いやー、あんまりスピード出してたもんでつい。だっていくら救急車っていっても、無謀運転で事故でも起こしちゃ余計ケガ人を増やすことになるでしょ?それに動いてるものって撃ちたくなるんだよね。止まってる的ばっか撃ってても練習にならないでしょ?」


うーん、ごもっともです。










 この子供は、店にお菓子を買いに行く途中で、よくわからんけどいきなり頭を撃たれました。弾は側頭部から入って貫通して後頭部から抜けたそうです。

イスラエル兵のコメント「いやー、だってお菓子っつっても、危険じゃん?ほら、お菓子なんてたくさん種類があるんだから、なかには危険なお菓子があるかもしれないじゃん?まあそれでも足を撃って尋問すればいいんだけど、たまには外れて頭にいっちゃうこともあるでしょ。・・・まあほら、なんだ、こいつが将来テロリストにならないって保証できないでしょ?」


うーん、ごもっともです。










 この人は、農場で働くお父さんを手伝っていたら、よくわからんけど
両手両足全身5箇所撃たれました。この人が今生きている可能性は低いでしょう。

イスラエル兵のコメント「いやー、農家って恐いよね。昔から百姓一揆とかあるし。え?なんで両手両足5箇所も撃ったかって?そりゃーあんた、片足だけ撃ってももう片足で立ち上がれるだろ?片手片足だけ撃っても残った片手で反撃されるかもしれないだろ?片手両足撃ってもう死にかけて這いつくばってるのにあと2箇所も撃ったのは・・・、まあその、なんだ、その、ほら、・・・











これ以上弁解不能。











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