〜不謹慎なガイドブックへの抗議〜 　旅行の時、誰もが持って行くものの一つにガイドブックがあげられると思います。 　特に個人旅行、一人旅には必需品であり、交通やビザ情報、観光地や安宿の情報などを得るのにはその国ごとのガイドブックが欠かせません。 　ただし情報というのはあくまで正確で客観的なものでなければならず、もしもあるガイドブックが特定のホテルやレストランなどをひいきしていた場合、情報の公平性を欠いてしまい、他のホテルなどだけでなく旅行者にも迷惑をかけてしまうかもしれません。これは出版社自身の倫理の問題とも言えるのではないでしょうか。 　僕は、世間が注目する前からデビ夫人を批判していたほど倫理にはうるさく、しかも夫人の膨大な財産の誘惑にも決して屈することなく、一人で戦い続けたほどの男です。そんな僕がガイドブックの倫理に反する記述を発見したら、果たして黙っていられるのでしょうか？いいえ、いられません。 　実は、今回の旅の前に予習をかねてガイドブックを読んでいたところ、ある特定のホテルについて少し気になる記述を発見したのです。 　それは、トルコ北部の「サフランボル」という町にあるホテルについての項目です。ここでは本の名前について言及は避けますが、そのガイドブックではそのホテル（安宿）をこう紹介していました。 <Bastoncu　Pansiyon （ホテル名）> 日本語を話す「全盛期の宮沢りえ」似の娘がいるため、日本人バックパッカーにも大変な人気。 　「全盛期の宮沢りえ」似の娘がいる――、 　このコメントを見た僕は、自分の中に怒りにも似た感情がふつふつと湧きあがってくるのを感じました。 　この紹介文が出版社の人が書いたのか旅行者からの投稿なのか、それともホテルの人が自ら考えた文なのかということはわかりませんが、一体どういうつもりなのでしょうか？ 　本当かどうか知りませんが、「全盛期の宮沢りえ」似の娘がいるということで、それを目当てに客を呼ぼうとは、なんと不謹慎で倫理に反する行為なのでしょうか！！ 　このホテルがあるサフランボルというところは、世界遺産に登録されてはいるものの、たんなる小さな田舎町で、街並み以外に特に見るものはありません。僕はこの時点ではまだ旅行の計画は立てていませんでしたが、こんなミエミエの紹介文に負けてサフランボルに行ってしまうような、そんなおろかな真似だけは絶対にやめようと誓ったのです。そう、少しでも多くの客を呼ぶために書かれた紹介文のはずが、逆にこんなにもふしだらで乱れきった内容のせいで、僕にサフランボルだけには行かないことを決意させてしまったのです。 　第一、宮沢りえに対してとても失礼ではないですか！ 　「全盛期の宮沢りえ」なんていう書き方をするということは、一体今の宮沢りえはなんだと思われているのでしょうか。もしかして、今はもう全盛期ではない、サンタフェの頃のあのむちむちした感じが良かったんだけど、今じゃ痩せちゃって胸も縮んでしまったし、大人になったのに逆にセクシーポイントは40ポイント弱くらい減っちゃって、あれじゃあさわってもあんまり気持ちよさそうじゃないなあ、なんて思っているのでしょうか？？ 　なんという不道徳なことでしょう！！！！信じられません！！！！！ 　そんな可哀相なりえちゃんのためにも、今回僕は決してサフランボルには行かないことにしたのです。もし僕が無事アフリカを縦断してトルコまでたどり着くことが出来たとしても、その頃のトルコは真冬なはずです。トルコの中でも北にあるサフランボルは雪が降っているでしょう。アフリカ用の服しか持っていない僕が、直前まで名前すら知らなかったそんな極寒の田舎町に行く必要は全くありません。 　第一、全盛期の宮沢りえ（似の娘）を見たいがために旅の訪問地を決めるなどという、人として最低に恥ずかしく下品な行為は一人の男として絶対に出来ません。 　もしもそんな行為をする人が身近にいたら、懲らしめてやりましょう。 　僕も、旅行中にもしもそんな奴に出会ったら、決して友達にならないようにしようと心に固く誓ったのでした。 しかしホテルの紹介文、もうちょっと考えて載せて欲しいものですよねえ・・・。 終わり。 ・・・えーと、なんか文句ばっかり言ってるみたいであれなんで、最後に一応僕が今回トルコで訪問した町でも紹介することにします。 世界遺産に指定された街並みがとても美しい町、サフランボル。 ホテルにて、全盛期の宮沢りえさんと一緒に。 　彼女は、さすがに本に書かれるだけあって、まさしく全盛期でした。これなら彼女目当てにはるばる遠くからこのホテルに来た僕でも大満足です。 　いやー、やっぱりキレイな女の子が働いているというのは、ホテルとしては重要なセールスポイントですね。ついつい高くても泊まりに行っちゃいます。 ・・・。 最低で結構。 最低万歳！！

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