〜火葬場、古本購入など〜





 苦労の多い町に生まれて来た赤ん坊


 バラナシで「ベンガリートラ」と名付けられた細い路地を歩くとすれ違う生物の割合は、インド人が10に対して外国人旅行者と牛がそれぞれ2、ノラ犬は5程度である。とにかく、
めちゃくちゃノラ犬が多い。なんでも、大山のぶ代が声をあてた最後の大長編ドラえもんである「ドラえもん のび太のワンニャン時空伝」には、このバラナシからノラ犬がエキストラとして大量動員されたというほどだ。その時は出演料で犬たちが大変潤い、一時的にバラナシが好景気になり「ワンニャン時空伝景気」と呼ばれたというのだからこれはいかにも信憑性がある話ではないか。

 犬が多い町というのは、犬好きでなおかつ「顔が犬に似ている」とまで言われるオレには理想の町のように感じるが、しかし油断していると痛い目を見ることになる。なにしろここはインドだけに、あっノラ犬だっ、かわいいなあちょっと頭をなでさせておくれ、くちばしを握らせておくれ、ちょっと待ってよどこ行くの! ねえちょっと!! と追いかけていると、
いつの間にかまんまとシルクショップまで誘導されていたなんてことも多々あるのだ。このバラナシはノラ犬ですら自分のかわいさをうまく利用し、土産物屋からコミッションを得るために客引きに精を出さなければならない悲しい町なのである。
 ちなみにここにいる大人のノラ犬は10匹中9匹くらい、ほとんどが足を怪我している。常に前足を上げて歩いていたり後ろ足を引きずっていたり、あるいは1本丸ごと無くなっていたりと非常に哀れな姿だ。ほぼ毎日、夜中になると
「ギャイ〜〜〜〜〜ン!!!!」とどこからか犬の悲鳴が聞こえてくるのだが、かわいそうにおそらく寝ているところをバイクなどに轢かれているのだろう。それでもここでは旅行者がしょっちゅうお菓子をばら撒いているし、川辺に人間や牛の死体を食べに行ったりすることも出来るし、これだけの数が繁殖しているということからしても犬たちにとってバラナシは暮らし易い町なのではないだろうか。
 尚、東京と全く逆で、ノラ犬が溢れている割にはバラナシでネコの姿はちいとも見かけない。おそらくネコ軍団は犬との全面抗争で敗北を喫し、別の町に追放されてしまったのだと思われる。

 さて、ライババの館であーだこーだしていた翌日もオレはシワ改めムンナと顔をあわせたのだが、相変わらず奴の目はマネーの色にらんらんときらめいて、オレを政府公認のハッパ屋に連れて行き高いガンジャを買わせようとしたり、またもやエロ映画館に連れて行こうとしたり(筋金入りのエロか)、この人、
金づるの興味を引くために次から次へ畳み掛ける能力は抜群だなとオレはとても感心させられた。もしムンナがホストクラブででも働き始めたら、ほんの3ヶ月でナンバーワンの座に上り詰めるのではないだろうか(源氏名:紫羽改め夢雨奈)。
 しかしムンナに連れて行かれたある場所では監禁されてそこのボスにカメラを強奪されそうになるという笑えない事件も発生し(取っ組み合いになった)、奴がグルだったのかはわからないがとにかくロクでもない人間ということだけは確かである。
 こやつはいかにも知恵の回る悪人らしく、オレが「ムンナさん、一緒に記念写真撮りましょ〜♪」とネコなで声で近づいても、ネコなでられに屈することなく写真に写るのは断固拒否するのだ。「どうしてえ〜ん。そんなこと言っちゃヤダ。
ボクちゃみちい。いけず〜」とムンナなで声で甘えてみても、「写真は嫌いなんです。お父さんが写真が嫌いだったので、それを受け継いでいるんです」と最もらしい理由をつけて不倫中の女子アナのようにカメラからひたすら身を隠すのである。
 なので
盗撮してみた。



 アップのおっさんではなく、その後ろでこっちを見ているのがシワ改めムンナ。一応盗撮なのでちょっと小さめにしておいた。おっさんの方は、バラナシに暮らすごく普通の良い人です(多分)。
 バラナシに旅行予定のあるみなさん、彼は上手な日本語でバラナシ解説をしてくれ重宝しますが、やや危険なので一緒に部屋の中には入らないように注意してください。

 さて、バラナシといえばムンナ、
ムンナといえば死体である。オレはムンナとさよならした後で、一人でバラナシ名物の死体焼き場、マニカルカルカルガートへ向かった。いや、マニカルカルカルじゃなくてマニカルニカーガートか。もう個別のガートの名前とかややこしくて覚えられないな……。別になんでもいいしそんなの。
 布に包んだ人間の死体を直火で焼くこの焼却場、そういえば3年前はそれなりに焼ける死体を見てショックを受け「人間とは」「死とは」みたいなことを考えたものだが、おそらく長期旅行中だからであろう、今はもはや
何も感じない。
 海外、ましてやインドにしばらくいると、「驚き」のハードルは日々どんどん上がってくる。「死体焼き場で死体を焼いている」というのは、「死体焼き場だからきっと死体を焼いているんだろうなあ」という予想が簡単に出来るわけで、実際その通りなのだから何も驚く事ではないのだ。なにしろインドでは、バッティングマシーンにコインを入れ前を向いて構えていたら
真後ろからフロントのおばちゃんが150kmの剛速球を投げて来るような予想外の出来事が日常茶飯事なのである。死体焼き場で死体を焼いている当たり前のシーンより、ビーチでノラ牛が日光浴をしていたり夜道に落ちているバアさんを踏みそうになったりノラ犬とノラ豚の殺し合いに巻き込まれそうになったりした時の方が、よっぽどショックが大きかった。特に2つめと3つめは、毎春開催されている「浜松市冷静コンテスト」で決勝トーナメントの常連になっているこのオレが、本気で泣きそうになったくらいだ。
 この焼却場でオレが驚くとしたら、半分焼けた死体がいきなり起き上がって、
「オレの焼ける姿を見たんだから200ルピー払え〜〜(呪)」と肉汁を撒き散らしドロドロになって迫って来た時くらいだろう。さすがにそれは値切れないと思われる。



「ハロージャパニーズ。これらの死体は焼いてから灰と骨をガンガーに流すんだけどな、赤ん坊とか、蛇に噛まれて死んだ者は焼かずにそのまま川に投げ込むんだ」


「それもう知ってるから。オレは前も来たことがあるの。説明はいらんから」



 火葬場に着くやいなや、マニカルニカーとは切っても切れない関係の勝手に説明マン(背の低いオヤジ・見た目40歳程度)が出現した。こいつらは、旅行者を見ると登場しひと通り火葬の解説をすると寄付という名目のガイド料を要求してくるという、実に罰当たりな輩だ。
 もちろん興味本位で見学する方もろくなもんではないが、他人の火葬で金儲けをしようとするこいつはもっと極悪人であり、きっと焼かれる死者からも恨みを買い続けているに違いない。おそらくこいつを霊視してみれば、
怨念を持って憑いている背後霊が500体程度は見つかると思われる。



「そうか、説明はいらないか。じゃあ、そのヘンははしょるけどこの火葬場のために寄付をしてもらいたい。これはここのルールだからな」


「いくら払えばいいんだよ」


「それはハートの問題だから、おまえに任せる」


「そうか。じゃあ1ルピーな」


「1ルピー? 1ルピーだって(笑)?? 冗談だろう。ここの薪代は、
1kgで100ルピーだ


「あっそ。
じゃあ払わねえ


「払わないか。そうか。じゃあ、
今すぐここから出て行け。ここはおまえがいていい場所ではない


「うるさいなあおまえ。おまえがあっち行けよ。ここは誰でも自由に見学が出来るガートだろうが。そこにも旅行者がいるし、ボートの上からも観光客が見てるだろ」


「あの外国人は金を払ったんだ。さあ、出て行け。
行かないと問題になるぞ


「なんだよ問題って。
問題上等だよこのヤロー! オレは問題が大好きなんだ


「いいか、すぐ立ち去らないとオレのファミリーが来るぞ。
40人からのファミリーが集まっておまえを殴って、竹で頭をかち割るぞ


「おう、そうしてくれよ。割ればいいだろうが。割ってみろよ」


「いいか、これは脅しじゃない。本当にファミリーを呼ぶぞ。ここにはおまえを助ける者は誰もいない」


「早く呼んで来いよボケッ!! オレは戦うのが大好きなんだよ。だからいつもこのバットを持ってるんだ。早く呼べよ。呼べオラッッ!!!!」



 ジジイの言い草がムカついたもんだから、オレはかなり熱くなりクリケットバットでブンブン素振りを繰り返し威嚇しながら、「早く呼べよ!!!」と急かした。仲間の存在をチラつかせ脅してくるような卑しい金の亡者には、これくらいやってもいいだろう。

↓常時クリケットバットを持っているオレ




「OK。そこまで言うならいいだろう。覚悟は出来てるんだろうな。ここで待ってろ。今ファミリーを呼んで来るから」


「呼べっつってんだろさっきから」


「ここにいろよ。逃げるんじゃないぞおまえ」


「早く行けよ!! オレはここでゆっくりしてるからよ!!!」


「このガキが……」



 チビオヤジは、激しく憎しみを込めた表情でオレを睨むと、その場を立ち去った。
 ……ケッ、
この悪党が!!! ファミリーを呼ぶとか言っていたが、どうせ口から出まかせに決まっている。あんな猪口才な小悪党に、動員をかけられるような仲間がいるわけが無い。だいたい、たった100ルピーやそこらの薪代をボッタくるためにわざわざ40人の仲間が来るか? しかもいくらインドとはいえ、旅行者に危害を加えたらすぐにツーリストポリスに捕まるだろう。所詮300円を得るために大人数でオレを攻撃するなどというのは、明らかに割が合わない行為なのである。だから、心配することなど何も無い。ゆっくりとここで火葬場の見学をしていればいいのだ。
 ……でも、ほぼ100%の確率で大丈夫だけど、
なにかの間違いで本当にファミリーが来ちゃったら困ってしまうので、オレは恐くなって逃亡した。ものすごい早歩きでオヤジと逆方向に歩き、人通りの多い道を進んでとりあえず宿まで避難した。
 違う。臆病なわけではない。決して臆病ではない。本当は逃げたんじゃないんだ。
たまたまお腹が痛くなったから部屋に帰って来ただけなんだ。これは体調の問題なのだ。ちっ……、お腹さえ痛くならなかったらあのままオヤジの仲間を待って獅子奮迅に戦い、バラナシの暴漢どもに大和魂を見せ付けてやるところだったのに……。まったく、命拾いしたなおっさんとその仲間たち。おまえら、オレの腹に礼を言っておくんだなっっ!!!

橋のロープに引っかかっていた牛死体。なんかの内臓がバルーン的に膨らんでいる。

 さて、ほとぼりが冷めるのを待ってからオレは再び町に繰り出したわけだが、遠いところにあるドゥルガー寺院やラムナガールフォートなど
特に印象に残らないような観光地にも行き尽くし、もうそろそろすることが無くなった。よって、オレはまたライババ邸に遊びに行くことにした。しつこい……

 裏道をくねくねと歩き相変わらず厳しいインド兵の検問を抜けて、オレはなんだかんだ言って今までバラナシで一番頻繁に訪れている場所、ライババさんの家にまたもやって来た。しかし今回は特に写真を撮ろうだとか(カメラ没収されてるし)復讐してやろうとか、そういうことを考えているわけではない。またひとつ
違う目的があって来たのだ。
 こんちわ〜と言いながら例の家のドアを開けると、いつものように入り口の小部屋でライババさんと他のおじさん方がダラダラとくつろいでいた。オレが言うのもなんだが、
ほんとあんたら仕事は無いのか。同類か(オレと)?
 しかしライババじいさんは本当に気前がよく、「来なさい来なさい」とオレを見るなりいつもの奥の部屋に上げてくれた。



「どうしたキミ? 何かお問い合わせか?」


「実はちょっと欲しい本があるんですけど……あ、でもその前に、せっかくだからひとつだけ聞いていいですか?」


「いいよ」


「あの〜、先日の占いだと僕のお嫁さん、今年の7月に東京で出会うってことなんですけど、考えてみれば僕まだ
その頃全然旅してるんですけど。年末に帰国の予定なのですから。僕が東京にいないのに本当に東京で会えるんですか??」


「そうだったか。じゃあ、東京じゃなくて他の国で出会うかもしれないぞ


「えっ。そんな
自分の予言の根幹を揺るがすような適当なことを……(汗)。じゃ、じゃあ、まあ7月にお嫁さんと会うとして、その女性は日本人なんですか? 日本人の旅行者と会うのかしら?」


「日本人かもしれないし、外国人かもしれない。でもいいお嫁さんなら、
どこの国の人でもいいんじゃないか


「ま、そうですね。たしかにそうです。国籍なんかにとらわれるのは古い考えですもんね。ライババさんは現代っ子だなあ……」



 ……
もういいやなんでも。オレも予言とか占いとかどうでもよくなってきた。この人を占い師だと思うから余計なことが気になっちゃうんだよ。
 たしかに奥さんといつ出会おうがどこの国の女性だろうが、そういうのは問題じゃないよな。そんなの赤の他人のライババさんにわかるわけないし、だいたい出会いとか国籍とかいうことよりも、中身、心が美しいかどうか、それが大切なんだよ。無理やり出会いの時期や相手を占うなんて、ナンセンスだ。
じゃあ金返せよあんた。

 おっと。今日はそのことで来たんじゃなかった。
日本語の本を手に入れに来たんだ。
 ここで実は今さらこの家の実態が明らかになるのだが、先日の占いの時、3年前と比べて部屋の中に増えていたものがあった。それは、大きな
本棚。しかも、インド以外の国、日本の本やマンガなんかがたくさん揃っているのである。よく観察してみると入り口の部屋にもずらーっと本がたくさん並んでおり、この状況からするとライババさんの正体、それはおそらくバラナシの古本屋さんだということがわかる。活字離れが叫ばれて久しい昨今、古本屋さんだけだと厳しいので、副業としてアホ占いも行っているのだと思うのである。本人に聞いてみたら「いや、違うよ。弟が古本屋をやっていて、占いの時に部屋を使わせてもらっているんだよ」ということだったが、怪しいもんだ。
 なにしろともあれ、オレは故郷を遠く長く離れ日本語の本を渇望していた。そこで今回は占いに来た旅行者ではなく、
本屋さんの客として、ここの本棚にあった「あいのり本」1巻(フジテレビの「あいのり」を写真つきのダイジェストで本にまとめたものである)と「おもしろ心理ゼミナール」を買いに来たのである。なおかつ、ただ買いに来ただけでなく、あわよくばそれらを無料で手に入れようと、オレはこんなものを持って来た。



「ライババさん、僕、デリーで買ったカーマスートラの写真集があるんですけど、これをそこの棚にある日本の本と交換してくれませんか??


「ん。カーマスートラだと! どれ、見せてみろ」



 オレはあの日コンノートプレイスで恥を忍びショーウィンドーを開けてもらって購入したカーマスートラ、大きいのではなく小さい方の、
ミニミニカーマスートラを売却しようと持参したのである。なんで小さい方かというと、もちろん大きい方は売りたくなかったからだ。中身のエロ度数の問題である。
 ライババはオレがリュックから大切に取り出した虎の子のカーマスートラ(エロ写真集)を受け取ると、興味深々にページをめくり出した。インドのご老人にはショックが強すぎるかなこれ……。



「ねえライババさん、僕その『あいのり』と『おもしろ心理ゼミナール』が欲しいんですけど、カーマスートラと交換してくださいよ」


「1冊と2冊の交換はダメだよ。差額を払わないと」


「だってこのカーマスートラ300ルピーもしたんですよ! 十分釣り合ってるじゃないですか!!」


「300じゃなくて定価295ルピーって書いてあるぞ」


「いいじゃん5ルピーの違いくらい……」


「いいか、295ルピーで買ったとしても、古本屋に売る時は半額になるんだ。そういうもんだろう」


「お。それはごもっともです。まあブックオフなんか何十分の一だからね……。じゃあいくらですか」



 もはや
占い師であることを本人もオレも忘れているライババさんだが、彼はあいのり本を手に取りペラペラとめくりながら内容を見定めると、よく考えて「110ルピーだ」と言った。……あんた、中身理解してるのかよ。

←噂のミニミニカーマスートラ



「110ルピーなんて高いよ!! 50ルピーにしてよ。いいでしょ。おねがいライババパパ!」


「ダメだよ。100ルピーなら売ってやる」


「じゃあもういい。いらない。カーマスートラは持って帰ろうっと」


「待ちなさい。じゃあ50ルピーでいいよ」


「やったー!! うれしーー!!! オレ、あいのりが世界で一番好きなテレビ番組なの。でも途中から視聴組だから、金ちゃんとみどりのストーリーとか知りたかったんだよね」


「そうかそうか。よかったな」


「はいよかったです」



 う〜ん。本を買えたことは嬉しいけど、なんだか、ライババさんの
3年前の威厳はいったいどこへ。こんな展開は誰も望んでいなかったんじゃないだろうか。もはやこの人は完全にいち古本屋ではないか。ある意味これは、ライババさまの人間宣言である。
 ま、一応ちゃんと最後は占いの話で締めておこう。



「ところで、ライババさんってどのくらい占いをやってるんですか?」


「今年65歳になるが、25の時から、40年間やってるぞ」


「ながっっ!!!!! この道40年ってもう熟練の職人じゃないですか」


「16歳から24歳まではオレは山のお寺でお坊さんについて勉強してたからな。その後すぐ占いを始めたんだ」


「ほんとかなそれ。40年の間はずっとバラナシにいるんですか?」


「そうだよ。ずっとここに住んでるんだ」



 凄いなあ。ライババさんが65歳ってのも驚いたけど、40年も占いやってるってのがなあ。てか
やっぱりずっとバラナシ在住だったんですねライババさん……。それを3年前は「昨日バラナシに着いたばかりです! 2,3日後にはもう次の町に行ってしまいます!」なんて……、ウソつき。
 しばらくの間なんでもない問答を行っていたのだが、しかしライババさんは
オレが与えたカーマスートラ写真集にずっと見入っていて、次第に口数は少なく返答も適当になってきたためオレは帰ることにした。

 ライババ宅を出てまたサウナ状態のガートに行ってみると、ガンジス川の真ん中には、人間の死体がプカプカと浮いていた。そして死体が登場すると同時にボートの客引きも登場し、
「死体のところまで20ルピーで行ってやるぞ」と商売を持ちかけてくるのだ。そしてガートからは外国人を乗せたボートが何隻も漕ぎ出し、即席の死体遊覧ツアーが開催されるのである。いや〜……、悪趣味だ(涙)。オレも参加したけど。

 バラナシに骨をうずめているライババさんも、将来その時を迎えたらきっとあのマニカルカルカルガートで焼かれ、そしてこのガンガーの水と土に帰って行くのだろう。そこでもまた焼却場には外国人観光客がやって来て、無理やり解説をして薪代をせしめようとするニセ担当者との小競り合いが繰り返されるのであろう。そしてそのニセ担当者も死を迎えたらこのガートで焼かれて……いや、マニカルカルカルは焼却代が高いので、そのまま川に流されるかもしれないが……また観光客がボートに乗って死体に向かい、そしてそのボートの漕ぎ手もいつか人生を終えたらガンジス川へ帰り……
 とにかく同じことが何度も何度も何度も繰り返されて、そしてその中で何かがほんのちょっとだけ変わって行く。それがバラナシと、そしてこの地球の歴史なのであろう。

 なぜこんな真面目なことを言ったかというと、
バラナシの話がここで締めだからである。
 約10日間を過ごした2度目の聖地にもここでお別れをして、またオレは明日から、東へ進むのだ。


↓BOOKSライババで手に入れた本







おまけ ガンガーに祈りを捧げる儀式・プージャー






今日の一冊は、

百田さんは苦手なのですが

海賊とよばれた男(上) (講談社文庫)





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