〜また又・口の上手い男インド代表〜





「キミは、時々お腹が痛くなったり、もしくは頭が痛くなったり、または腰が痛くなったりしたことがあるね?」


「は、はい……たしかにあります。たまにですけど、腹も頭も腰も痛くなります」


「フォーッフォッフォ。やはりな。これはなあ、将来も気をつけなければいかんぞ」


「はい、気をつけます」



 ……だからさ〜〜。命ある者として、一度も腹も頭も腰も痛くなったことが無い奴なんているわけないだろ? 産婦人科で新生児室にいる赤ん坊に「おまえは過去に腹か頭か腰が痛くなったことがあるな?」と聞いたって、絶対「バブバブ(あります)」って言うぞ? 裏路地の土産物屋で売られてるガネーシャ像でも頭痛や腰痛の一度くらい経験したことがあるはずだっちゅーの(胸の谷間を強調)。



「キミは時々、残尿感を感じることがあるね?」


残尿感キターーーーーーーーーーー!!!! あなた好きですよね残尿感……」


「どうですか? 当たっていますか?」


「はい……たしかに当たっていますムンナさん」


「(ライババに向かって自信満々で)イエス!!」


「フォーフォッフォ。そうか。当たっていたか。あとな、これはまた未来のことなんだが、
どうやらおまえは54歳になった時に、髪が薄くなるようだ


「いええええええええっっ(涙)!!!!」



 
なんジャイナっ!! なんてこっチャイナ!! ご、ごじゅうよんさいで髪が薄くなるだって……!?
 そんな……。だって、
前回の占いでは「おまえは65歳で髪が抜け落ちる」って言ってたんだぞ?? 11歳も早くなってるじゃねえかよっっ!!! 寿命は9年、ハゲは11年も縮んでるのかオレはっ!!! どういうことやねん!!!!!

 
これは大変なことである。人生と頭髪の終焉が10年も早くなったのだ。これは、言い換えればこの3年の間にオレが10年分年をとったということを意味するのではないか。まだまだギリギリ20代だと思っていたオレが、実はもうすぐ40歳だったということか(涙)。人は誰しも年を重ねるもの、別に40歳になること自体がイヤなわけではないが、30代が無くていきなり40歳になるのはイヤだ。このままじゃあ、世界一貫禄の無い40歳ではないか。40代には40代のグラビアアイドルやテレビゲームとの付き合い方があるだろうに、それを検討させてもらえないままいきなり40歳になってしまうなんて。これじゃあ世間に顔向けが出来ないヨー。



「そんな悲しむことはないぞ。将来おまえには女友達がたくさん出来るから」


「別にいらないかな女友達なんて……。『1000人の女友達より1人の彼女』それがわたしの望みです」


「そういうことを言っている限りガールフレンドを作るのは難しいだろう」


「ぎゃふん」


「トラベル、旅はキミにとってラッキーアイテムだ。そして、100%のパワーでラッキーな国は、スリランカ、チベット、フランス、ドイツ、イギリス、オーストリア、南アフリカ共和国、あとはインドだ。
特にデリーはおまえのラッキーシティだぞ


「へえそうですか」



 そうか〜、インド、特にデリーがラッキーな場所だったのか〜、って
そんなわけねーだろボケがッッ!!! デリーのどこがラッキーなんだよっ!!! 一般的な地球人にとってはデリーは200億%アンラッキーシティなんだよっっ!!! アンラッキーというか、ヘルだ!!!! デスだ!!! エクソシストだ!! デスシティ!!! サイコシティ!! シティデストロイヤー!!!!

 …………。
 それに、南アフリカ共和国もラッキーとは実にふざけている。「ラッキーな国なのね、じゃあしばらく旅行に行きましょう」と言いつつ南アフリカのヨハネスブルグあたりにしばらく観光旅行に出かけた場合、
本格的に命が危ない。地雷原より危ないんだからあそこは。冗談で名前を出していい国ではないぞ。
 ライババは続けて、オレが持っていた黒いミニリュックをつまんで言った。



「いつもこの中に貴重品を入れているのか?」


「今日はたまたま(あなたたちを警戒して)宿のセイフティーボックスに置いて来ていますけど、いつもは入れています」


「それはいかんな。黒もしくはダークブルーはおまえにとって良くない色だから、こういうものに貴重品を入れてはダメだぞ


「ありゃ、ダメでしたか」


「できれば貴重品は、腹巻きの中に隠すようにするといいぞ」


「なるほど、腹巻きの中ですね。…………。それは、
ただの一般的な旅行のアドバイスでは


「冬になるとカゼをひいたり、咳が出るようになってしまう可能性がある」


「あの〜……」


「キミの体にとってラッキーなのは、ヨガ、そしてスポーツジムに通うこと、あと水泳もいいぞ」


「…………」


「辛すぎるものや、油っこいものは良くないから控え目にした方がいい。
朝起きた時は、たくさん水を飲むと健康になるぞ


「はい……」



 …………。
 これは、
占いか??
 前回に引き続き、またもライババ占いはいつの間にやら占いから
健康アドバイスに趣旨が切り替わっている。朝起きたら水を飲むのは健康にいいかもしれないが、それ多分オレだけに当てはまることじゃないよな。誰でもどころか、ノラ牛やツチノコでもきっと朝の一杯の水は健康にいいと思うぞ。新生児やガネーシャ像だってそうだ。水を飲んで体を壊すのなんて、せいぜい紙粘土人形の粘太郎くんくらいだろう(誰だそれ)。



今年は2月と、4月がラッキーマンスだ。2月にはもう旅をしていたか?」


「はい。パキスタンあたりにいました」


「ほらみろ! さっき旅はおまえにとってラッキーアイテムだと言っただろう!」


「おお、たしかに。……いや、
なんに対しての『ほらみろ』なんですかねそれ。なんで『当たっただろう!』みたいな得意気な表情になってるんでしょうかライババさん。全然意味がわからないんですけど


「それでは、まあとりあえずこんなもんでひと通りなのだが……」


「ええっ!! 終わりですかっっっ!!!!!」


「まあ慌てるな。まだ時間はとってやるから、今度はおまえの方で何か私に聞きたいことがあったら質問していいぞ。
何でも聞きなさい



 おおっ、なんだかすごい自信だ。
 どうやら今回は、オレのために
質疑応答タイムを取ってくれるようだ。これはあまり値切らずにそこそこの料金を払ったのが功を奏していると思われる。もしくは、最近ライババにはアガスティアという商売敵が出来たために、多少は顧客満足度を気にするようになったのかもしれない。
 ともあれ聞きたいことはある。実は、昨日の晩ライババに出会うための作戦を考えるのと同時に、先を見越して
占ってもらいたいことリストも作っておいたのである。それでは、せっかくのチャンスに占いらしいことを聞いてみようではないか。やっぱりお年頃のアタシが気になることは、なんといってもこれだわ!



「ライババさん、ではいくつかお伺いさせてください。あの、僕の未来の結婚相手について教えて欲しいんですけれど」


「結婚な。よーし、では占ってしんぜよう。……そうだな、キミは未来のワイフとは、
今年の7月に出会うだろう


「おおおおおおおっっっ!!!! なんとっっ!!!!! あとたったの3ヶ月じゃないですかっ!!!! ど、どこでっ!!! どどどどこでどこででででであうんですかっっっ(号泣)!!!!!!!!!」


「まあ落ち着きなさい。そのワイフとは、
東京で出会うだろう


「東京ですか〜〜〜〜〜〜〜〜。いや〜〜〜〜〜〜〜。誰だろう。あはぁ、楽しみだ……ぎょをを〜〜っっ(期待の雄叫び)。で、どのようにして出会うんでしょうか?」


「東京で、
道を歩いていて出会うだろう」


「道を歩いてですか〜〜〜〜〜そうか〜道を歩いている時にか〜〜〜〜」



 
道を歩いてるだけで嫁が見つかるわけねーだろうがっっっ!!!!! その出会い方はあんたたちインドの感覚だろ!!!! 日本では通りすがりの見知らぬ異性といきなり知り合いになる習慣なんて無いわっっ!!!

 なんだよそれ……。
 せめて「職場で」とか「いきつけの歯医者の歯科助手」とか(個人的な好み)、それなりに期待の持てる予言にして欲しかったなあ。いや、まあ道で出会う可能性も0では無いかな……もしかしたらたまたま曲がり角から飛び出してきた美人で性格が良くてグラマラスでエロチックで眼鏡が似合って恋人募集中の女性とオレがぶつかって、
「あっ、ごめんなさあい!」「いえ、こちらこそすみません」なんて言って彼女はそのまま走り去って行くけど、ふと見ると手帳が落ちていて、「あれ、あの人大事な手帳を落として行っちゃったよ。仕方ないなあ、まだすぐそこにいるから追いかけてもいいけど、走って追いかけたために交通事故に遭ったり心臓麻痺になったら大変だから、念のためこの手帳はオレの家に持って帰って中身をよく調べて熟読して、それから電話で連絡してみよう」なんて展開になって、そこから恋が生まれるなんてことがあるかもしれない。そうだ、そんなことがあるかもしれない。あるかもしれないんだっ!!



「じゃ、じゃあその奥さんはどういう人ですか? やっぱり眼鏡が似合ってグラマラスな美女なんでしょうかっっっっっっっっっっっ」


「彼女の職業は、グラフィックデザイナー、もしくはコンピュータを使う仕事をしているな。
とても奇麗でその上セッ○○好きである。年齢は、おまえより4歳下だ」


「きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!!!! きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!!!! いつですかっ!!! いつ結婚できるんですかっっっ!!!!!!」


「実際に結婚するのは、
30歳から31歳の間である


「ああ、
待てません。早く、早く31歳になりたい。さすがオレだなあ。今はこうして貯金0で無職で放浪の身だけれど、きっと30歳から31歳ともなれば、ちゃんと就職してお嫁さんを迎えられるほど安定した生活をし、信頼出来る男になっているんだなあ」


「子供は3人出来る。そのうち2人は男の子だ。アパートや車、バイクもおまえが自分で買うんだ」


「子供が3人も??
 …………。いらないなあそんなに。子供は欲しくないんだよね別に。まだかわいい娘、しかも8歳になったら成長が止まる娘なら欲しいけど、息子はいらないんだよね。だいたい、子供が子供作ってる場合じゃないし


「人類の繁栄にさお差そうとするやつめ」


「でも嬉しい……。こんな僕でも結婚が出来るなんて……おお(涙)……しかも4つ年下の奇麗な人……しかも……
あひょうひょおひゃひゃひゃ



 ありがとうライババさん。なんだか僕、
生きる気力が湧いてきました。もう少し、もう少しがんばって生きていこうと思います(涙)。今日あなたに会えて本当に良かったです。
 30歳から31歳の間か……。ああ〜、本当に楽しみだなあ。どんな女性なんだろう。こんっなに嬉しいことは無いぞ。だって、
こんなオレでも結婚出来るってことがわかったんだから。嬉しい。将来のことを考えるといつも悲観的になるオレだけど、あと数年も経てばちゃんと安定した生活をして仕事をして結婚もしているなんて!! それも最高のお嫁さんと!!! はやく、早く来てくれ31歳!!!!

※実際に31歳になった時、この期待が全て裏切られるということを彼はまだ知らないのであった(号泣)。



「他に何か聞きたいことはあるかね?」


「はいまだ高名な占い師でありスピリチュアルカウンセラーでもあるライババさんにお聞きしたいことがいくばくかあります。ではズバリ、僕の前世はどのような生物だったのでしょうか


「前世だな。では見てしんぜよう」



 ライババはオレの白魚のような手を取って、フムフムなるほどと唸りながら前世占いを始めた。う〜む、前世というのは、
手相からわかるものなのだろうか。前世を観るという行為は、占いというよりはもはや霊視の範疇に入るような気がしてしまうんだが。あの和服のインチキおじさんもそうだし。
 とはいえ、ライババさんは占いの種類とかそういうものを
超越した存在だからな。他の人とは違って、きっともうなんでもかんでもわかっちゃうんだろう。



「よし、わかったぞ


「すごいっ!! なんですかっ僕の前世はっ!? このかわいさからしてレッサーパンダでしょうか? それともこの美しさからして鶴田真由でしょうか??」


「私が占った結果、おまえの前世は、
タイの赤ちゃんである


「た、タイ?? タイの赤ちゃんって何ですか?? 
稚魚??


「タイはThailand、タイランドのことだ。おまえの直前の生は、タイで産まれた赤ちゃんである



 
なんと! オレの前世はタイ人だとっっ!!!! パクチーも食べられないのに!!
 ってまあそんなに驚くことでもないか……。でも、前世が人間であるということだけで凄いことだ。およそ地球に生命が誕生した40億年前から現在までに発生した命の数を考えると、前世が人である確率など何兆分の1とか何京分の1、いやもっともっと遥かに低確率だろう。その、宝くじで何年も連続で3億円を当てるような天文学的に低い確率に当たって人間から人間に生まれ変わっているというのは、
よっぽどオレの魂が善行を積んでいたという証明である。
 たしかに、普段生活していて「どうしてオレはこんなに心の美しい人間なんだろう?」と真剣に不思議に思うことが非常に多いのだが、それはもう
魂レベルの美しさだったのである。
 とはいえ、タイ人はいいとしても
タイ人の「赤ちゃん」というのはどういうことだろう? あえて「赤ちゃん」とつけるには、きっと特別な理由があるに違い無い。



「ライババさん、じゃあ僕が前世でタイ人だった時は、早死にしてしまったんですか?」


「そうだ。前世では、おまえは
20歳で死んだんだ


「…………」



 
なんかおかしくないかそれ〜? 20歳で死んだ人間を「赤ちゃん」って言うか〜〜??
 ライババさん、
もうちょっと自分で言ったことの辻褄を合わせる努力をしようよ。赤ちゃんじゃないじゃん。それは、タイ人の赤ちゃんじゃないじゃん。普通のタイ人じゃん。



「じゃあ、20歳で死んでしまったのはどうしてなんですか?」


「おまえが20歳の時に両親が離婚してな、それで母親が自殺してしまったんだ。そしておまえもそれを追って自殺したんだ」


「なんていう最悪な前世ですかそれはっっ!!!! 聞かなきゃよかったっ(涙)!!! くそっ、オレは前世でも結婚出来ていなかったのか!!!!」


「その通り」


「くそ〜〜、じゃあ、前世で不幸な死に方をして現世は未定な僕ですが、
来世では確実に幸せになれるんでしょうねっ!! 次こそは過去の分まで幸福あふれる人生が!!!」


「では来世を見てみよう。…………。よし。わかった。
おまえの来世は、マレーシアの牛である」


「人間ですらなくなってるじゃねえかっっ!!!!! 牛かよっっ!!!! しかもマレーシアの牛っっ!!!! 日本より飼育環境が悪そう(涙)!!!」


「では、
他に何か質問はあるかね?」


「いやだ……牛の話であっさり終わりなんていやだ……(泣)」



 うーん。インチキ占いなのに、
前世も来世も客を絶望させる内容とは何事だ。こういう時は、円満な空気になるように「前世はヨーロッパの貴婦人だ。来世は世界的に有名な科学者だ」くらい適当に言っておけばいいんじゃないのかっ! どうせインチキなんだからっ!!!
 まああんまり嘆いてもしょうがないか……。
どうせウソだし。じゃ、他に質問はと聞いてくれていることだし、お言葉に甘えてもう少し難解そうなことを聞いてみるとするか。



「ライババさん、実は最近、
日中関係があんまりうまくいってないんですよ。上海とか重慶なんかでは反日活動も盛り上がっているし、これから中国を旅しようとしている身としては日中両国がどのようにすれば溝を埋め友好を深めることが出来るのか、そのあたりをご指導いただきたいのですが


「……そうだな。えーと、それはだな、日本が中国の病気の人とか、貧しい人を助ければいいんだ。中国が何か文句を言って来ても、
無視をするようにしなさい


「なるほど、それで日中関係が改善されるんですね?」


「されるされる(適当)」


「そうですか。ありがとうございます。……では、
日本経済の今後の展望についてライババさまのご高察を賜りたいんですが如何でしょうか。現在の日本はバブル崩壊後の不況から脱却しつつあり『いざなぎ景気以来の好景気』なんてことも言われていますが、ここで長期的な視野に立った経済情勢の予言をぜひともお聞かせ願えますか?」(本当に聞いた)


「…………。に、日本の経済は、
2008年までは、波がある。そして、2008年からは、うまく行く


「へー(冷めた表情)」



 うーむ……、
苦しい。なんとも苦しさが伝わってくる占いだ。
 いざなぎがどうとか言ってるオレも経済のことなんて全然わからんけど、
わからんながらもライババにも全然わかっていないということはとてもよくわかる。まあ遠く離れた異国の経済事情なんて知らないのが当たり前だが、そこは全てを見通すライババさんなのでちゃんと教えてくれるかなと少し期待してみたのだ。いやもとい、期待してなかったけどなんかちょっと困らせてみたくなったんだ。ごめんちゃい……



「どうもすいません。難しいこと聞いて」


「そんなことより、おまえもっと大変なことがあるぞ。占いの結果、
おまえは39歳の時に車の事故に遭う。そして頭と足を怪我して、病院にずっと通わなければいけなくなるだろう


「なんですって〜!!」


「それだけではない。
45歳になると、腹の具合が悪くなり腸の手術を受けなければならなくなるだろう


「ええっ! 腸の手術!! 腸ショック!!」


「しかし案ずることはない。それを防ぐ手立てがあるぞ」


「なんですかそれは。もしかして高いお守りですか」


「いいか、これはヒマラヤに住む僧侶が、隕石を加工して作ったありがたいお守りである。もしおまえがこれを持っていれば、将来襲い来る不幸を避けることが出来るだろう。しかしこれは僧侶に対してお布施をしなければならないから、
40ドルの料金が必要だ。どうだ、払えるか?」


「払えるというか、
払いません。別にお守りはいりませんので



 結局ライババの占いは、最終的に霊感商法新興宗教インチキ占いにありがちな、
霊感グッズ売りつけ商法となった。しかしこの不幸予言だって、3年前は37歳で目の手術をし、41歳で交通事故と言われているのである。全然前と違ってるやんけ……。その前回予言された37歳の手術と41歳の事故は、勝手に消えたということだろうか? それなら今回の予言の不幸もおそらくいつの間にか消えているのではないか。どうせ次に来たらまた全然違うこと言われるんだろうしな。

 ……というところで、最終的にお守りに金を払う払わないでごたごたしながら
アホのアホによるアホのための宴、3年ぶりのライババ占いは、遂にこれにてお開きの時間とあいなったのである。
 振り返ると非常に懐かしく、そして3年前となんら変わらないお二人の演技力そしてチームワーク、そして3年前となんら変わらない無茶苦茶な占い。ああ、
なんてアホらしいんだろう……。
 ライババの予言は口から出まかせ以外の何ものでもないが、彼はこうして何年も同じ出まかせを繰り返し、日銭を稼いでいるのである。もはや、
「バラナシにほんの2,3日だけ滞在しているサイババの一番弟子」という(設定の)面影は微塵も無い。3年前そして今、そしてまた3年後も、きっと彼らは同じように変わらずインチキ生活を送り生きているに違いない。そして一方このオレも、3年前そして今、そしてまた3年後も、いつまでも変わらぬダメ人間であるに違いない。いや、違いないかどうかはわからないが、そんな気がする(涙)。う〜ん、オレは彼らのことをあんまり責められない気がしてきた……。

 こうして久しぶりのライババ宅でのイベントは監禁されることもなく誘拐されることもなくつつがなく終了したのであるが、今回はオレ自身も「インド初体験のとぼけた観光客」を装いとても疲れたと同時に、バラナシそしてインドは
本当にバカバカしいところであるということを再認識させられたのであった。





今日のおすすめ本は、この本にも出て来ます。ムンナが。 インド怪人紀行(角川文庫)






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